【書評】なぜケータイ小説は売れるのか

2008年2月26日

なぜケータイ小説は売れるのか (ソフトバンク新書 63)
本田 透
ソフトバンククリエイティブ (2008/02/16)
売り上げランキング: 5635


内容的には、自分が思っていたような「売れる理由」だったので、安心(?)。


筆者があげているケータイ小説に頻出する七つの「罪」
(これって「セブン」みたいだけど)

 1.売春
 2.レイプ
 3.妊娠
 4.薬物
 5.不治の病
 6.自殺
 7.真実の愛


この要素のほとんどがケータイ小説に内包しているという。
ケータイ小説を読んだことがないので、意見を述べる資格はないのかもしれないということを前提にして・・・

水戸黄門に由美かおるの入浴シーンが欠かせないように、物語には「ヤマ」が必要。

物語には、その前提条件が必要になる。
夏目漱石が、「教養とはコミュニケーションの手段である」という旨の発言をしていたような気がするが、前提知識が共有できなければ、コミュニケーションは広がらない。

このことを思うときに思い出すことがある。
村上春樹が「スプートニクの恋人 」の中で、茅ヶ崎の枕詞として、「砂まじりの風が」という表現を使っていたように思う。

「砂まじり」「茅ヶ崎」この2つのワードで、ある楽曲が思い浮かんだ人は、この「前提知識」を共有している。

ソシュールを例に出すまでもなく、「文字」そのものに意味はない。

「イヌ」が仮に、「ヌイ」と呼ばれていたとしても、僕らが頭の中に想像するイメージが共有できているのであれば、日本中で「ヌイ」と呼んでもなんの問題もない。


ケータイ小説のメインターゲット、本書によると、地方のティーネンジャーの女子。
彼女らにとっての、共有しうる前提知識が、先にあげた7つの大罪である、ということなのだろうと思う。

それだけに、いわゆる「小説」を読む層には、ケータイ小説はウケない。
まあ、きっとこのディバイドは続き、さらに拡大していくのだろうと思うけど・・・

 
             

カテゴリー名

最近のエントリー

月別アーカイブ

マネークリップ.com 商品一覧