【書評】正義のミカタ
2007年6月11日
正義のミカタ―I'm a loser
posted with amazlet on 07.06.12
本多 孝好
双葉社 (2007/05)
売り上げランキング: 4293
双葉社 (2007/05)
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正しさとは、絶対的な価値観ではなく、あくまで客観的に事実に基づいた個々人の主観的な判断にすぎない。
勧善懲悪は、水戸黄門の中だけの世界で、人の数ほどの正義がある。
正しさを、たとえばキリスト教ならば、神の望むこと、と定義できるかもしれない。
けれど、神なき世界を生きる僕らに正しさを定義することは難しい。
僕の正義は、あなたの悪であり、あなたの正義は、僕の悪であるかもしれないのだから。
amazon レビューにも記載してあったが、「正義のミカタ」は
正義の味方
でもあり
正義の見方
でもあるのだから。
文章自体は平坦、かつ大学生を主人公にした青春小説(?)なので、非常に読みやすい。
けれど、ところどころに時代への風刺や僕らが置かれている状況のようなものが、登場人物の科白として語られる。
腕時計ひとつで、人の印象は変わってしまうも。
世の中は本当に公平に作られているのだろうか?
などなど、嫌味に成らずに作品に馴染んでいるのがステキ。
ただひとつだけ。
終わり方の後味があまりよくないと思う。
もう少し落とし方に仕掛けがあると、全体の物語がもっと引き立つのかな、とは思う。
とはいうものの、ジャケ買いした小説でここまで当たったのは、結構珍しい。
本多 孝好さんの別の作品も是非、読んでみようと思う。

