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【書評】死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う

2008年3月30日

「殺人」のような凶悪犯罪が発生すると、被害者家族が犯人に対して、

「裁判で裁けないのなら、自分がこの手で犯人を殺します」

というコメントしているニュースをよく見る。
本当はこのようなことはあってはならないことなのだけれど、不幸にもそんな現実がある。

人に対して、「殺す」だとか、「死ね」だとか、そのようなことばは決して使うべきではないことは、良識ある大人であるならば、わかっていること。
けれども、この犯罪被害者家族が犯人に対して口にする「殺意」は、世の中に認められた「殺意」だ。

そして、その殺意に対しては、第三者は口を出せない空気がある。


もちろん、当事者と第三者、当事者の気持ちは第三者にはわからない。
けれど、その「殺意」を認めるのは、その空気を作っている「世間」であり、「我々」である。

であるならば、この「死刑」というシステムについて僕らは何らかの意思を持たなければならなければいけないのだと思う。
「賛成」でも、「反対」でも、それは人それぞれ意見は異なっていい。

「死刑」は国家が犯罪者の命を奪って罰するもの。
けれど、国家は概念上のシステムであって、実在しない。

「死刑囚」の刑が執行されるとき、そこには失効する側の人間が実在する。

そんな当たり前のことを本書を読んで感じた。

結論はでない。
けれども、考えなくてはならない問題だということは痛感した。

死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う
森達也
朝日出版社 (2008/01/10)
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おすすめ度の平均: 4.5
5 この本の意味
4 死刑をめぐる人々のことを知らずして、安易に「吊るせ!」と叫ぶなかれ
5 久しぶりに本を読んで感動した
 

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